

キャッシュフロー
例えば単純に10万ドルの貸家を頭金2万ドルとローン8万ドルで買ったとしましょう。この家を貸してレントを受け取り、そこから補修費、管理費、保険、不動産税、およびローンの支払をした後に残る税前の手取額がキャッシュフローです。アメリカの不動産投資においては投資額に対するキャッシュフローの利回りが10%は期待できます。すなわち2万ドルの投資に対して年2千ドル以上の税前手取りがあるわけです。
キャピタルゲイン
これに加えて、アメリカの不動産価格自体が歴史的に見て年8%上昇しています。単純にこの貸家を5年もっていれば、その家の価値は147,000ドルになるという勘定です。この価格上昇47,000ドルをキャピタルゲインといいます。
ここで利回りという観点からみた場合、47,000ドルのキャピタルゲインが10万ドルの投資に対してもたらされたのではない、ということは見逃せません。10万ドルの貸家を買うのに必要なのは20%の頭金2万ドルだけで、残りの8万ドルは借入金によってまかなわれ、レントから月々支払われているのです。すなわち2万ドルの現金投資は5年間でキャッシュフローの1万ドルとキャピタルゲインの47,000ドルをもたらし、実に77,000ドルに成長したのです。これは年31%の利回りを意味します。
レバレッジ
このように借入金を使って利回りを高めることをレバレッジ(テコという意味)といいます。
さてここまでの話は税金前の話でしたが、重要なのは税金を払った後にいくら残るかということです。いかに多く給料をもらっても税金で30%、40%もっていかれたので話になりません。いや実際はアメリカでも同じなのです。多くサラリーをとればとるほど所得税率は上がり、それに社会保障税、医療税が加えられると、10万ドルを超える所得に対する税率は50%程度にまで跳ね上がります。
タックスシェルター
これに対して不動産投資における収入に対しては減価償却が認められます。アメリカでは不動産に占める土地の価格が小さいがゆえに、償却対象となる改良部分(建物、駐車場など)への価格配分が大きくなること、さらに償却期間が日本と比べるとはるかに短いこと(住宅物件27.5年)により、不動産購入後の数年間は所得税がゼロになることも珍しくありません。 これをタックスシェルターといいます。
不動産投資はアメリカ税法上残された数少ないタックスシェルターです。
「交換」
これに加え、究極的タックスシェルターとも呼べるのが「交換」と呼ばれる売買方法です。上の例の貸家を5年後売った場合には通常47,000ドルのキャピタルゲインに対して20%のキャピタルゲイン税がかかるのですが、「交換」と呼ばれるルールに基づいて投資物件を買い換えていく限りこのキャピタルゲイン税を払わずに先送りすることができます。
したがってこの貸家を5年後に売った時にローンを返済して残る約67,000ドル(元の頭金2万ドルとキャピタルゲイン分47,000ドル)をすべて頭金として次の物件購入に当てることができ、それが20%の頭金であれば335,000ドルの不動産 (実に5年間でもとの貸家の3.3倍)を買えることになるのです。
大きな物件イコール大きなキャッシュフロー、大きな減価償却、大きなキャピタルゲインを意味します。
それではどこまでキャピタルゲイン税を先送りできるのか? 交換を続けている限り永久に先送りできるのです。そして交換を続けてきた投資家が他界するときには、その相続人が相続時点でのマーケット価値でその物件を相続することになります。すなわち10万ドルの貸家が20年後に2億ドルのアパートになっていたとすると相続人はそのアパートを2億ドルで相続します。もしそのアパートが必要でないというなら、その時点で売却すれば所得税はゼロとなります。
不動産投資の倍々ゲーム
実際この方法を繰り返していくと不動産の価値は想像以上に大きくなっていきます。私はこの方法を不動産投資の倍々ゲームと名づけました。
私の書いた本、「アメリカ不動産投資の考え方」、の中では、年10%の税引き後利回りと年4%のキャピタルゲインという控えめな前提に基づいても、5年ごとに「交換」を繰り返すことにより、10ユニットのABCアパートが20年間で実に300ユニット以上のアパートになることを証明しています。
長期的に財産を大きく成長させたいという投資家にとってはアメリカ不動産投資に許されたこのメリットを使わない手はありません。
私の書いた本 、「アメリカ不動産投資の考え方」、の中ではここで紹介された不動産投資理論を更に詳細に説明しています。 ぜひ御一読いただきたいと思います。